「ちはやふる」あれこれ

「ちはやふる」ほか、好きな漫画、アニメなど。

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ちはやふる29巻153首感想(ヒョロ君)

26巻以降、本当に重苦しい流れが続いていましたが、ようやく一区切りつきましたね。今までもやっとしていたものが、今回やっと何となくですが分かったような気がしました。

以下に、ヒョロ君のセリフ「おまえはずっと・・・強くて孤独なやつのそばにいてやろうとしてたんだもんな」と、それを聞いて千早がヒョロ君に抱き着いたことについて、考えてみました。一部ネタバレを含みます。


●千早の気持ち

太一の告白以降、不自然なほど千早の回想に新も詩暢ちゃんも出てきませんでした。
深作先生に「私が岩だったんです」と吐露しているように、太一を傷つけ続けていたという罪の意識や、それまで目標に向かってひたすら前だけを見続けていた結果、ずっと傍にいたはずの太一の心や行動を理解してあげられなかった自分への嫌悪感、そして太一との別離の辛さといった感情から、大好きなかるたの札が黒く冷たく重いものとなってしまい、新と詩暢ちゃんを意識の奥底に押し込めていたのかと思います。
千早と太一はお互いが相手を想うベクトルが異なっていたのかもしれませんが、千早にとって太一は本当に本当に大事な存在であったということは疑う余地のないことなのでしょうね。

今回千早はヒョロ君に「おまえはずっと・・・強くて孤独なやつのそばにいてやろうとしてたんだもんな」と言ってもらって、自分のあり方を肯定してもらえたような、前に進んでもいいんだよと背中を押してもらえたような、そしてそのような言葉をくれるヒョロ君も確かに自分にとって大事な仲間だったんだという気持ちの表れが、あの抱き着きシーンだったのかなと思います。千早が正面から一対一で誰かに抱き着くというのは、これまで瑞沢メンバーに対してもなかった描写で、千早にとっては仲間に対する最上級の気持ちの表れではないでしょうか。(でも、ヒョロ君とお母さんはまぁ固まりますよね。お母さん、お家に帰ったら窘めてあげてください。。。)


●新の気持ち

23巻の新が告白に至るまでの回想で、小学生の頃の千早が「笑うためにメモ取っている人と話したくないなあ」「ずっと一緒にかるたしよーね」と言っているシーンを思い浮かべていましたが、新にとって千早は孤独な時に手を差し伸べてくれる女の子だった。千早のまっすぐな気持ちが確かに新に届いていたということが、今回のヒョロ君のセリフによって間接的に表現されているようで、素敵だなあと思いました。

それにしても、小学生編の完成度の高さには毎度驚かされます(いや、もちろん全巻素晴らしいんですが)。3人の幼いが故の葛藤や淡く切ない想いがギュッと凝縮された、本当に美しい物語だと思います。


●ヒョロ君の気持ち

私は、ヒョロ君が千早を呼び捨てで呼ぶのにずっと引っかっていたのです。
小学生編で千早、新、太一の3人がチームちはやふるとして大会に参加していた時点で、ヒョロ君は「綾瀬さん」と呼んでいたし、その後すぐに中学に進学して北央のかるた部に入ったのであれば、「千早」と呼び捨てにするほど親しくなる時間があまりないので。また、ヒョロ君のモノローグでも時々「千早」と「綾瀬」が混在していますし。

高校3年の地区予選のヒョロ君祭りを経て、改めて小学生編を読んでみてやっと思い至ったのですが、ヒョロ君はチームちはやふるに強く憧れ、自分もそのメンバーになりたかったのではないかと思いました。
(小学生編で太一や千早の代わりに自分が大会に参加しようとする描写があります。気づくの遅!)
自分も仲間として認めてほしい、視界に入りたいという気持ちが、ヒョロ君の「千早」という呼び方に表れていたのかなと思います。もしかしたら、千早が恐ろしさを緩和するためにクイーンを「詩暢ちゃん」と呼び始めたのと同じように、千早の才能に対して自分の苦しさを紛らわす意味合いもあったかもしれません。

そのような文脈で考えると、圧倒的な実力を持つ新、ずば抜けた才能を持つ千早と対比して、その両方を持たないとされている太一に対し、ヒョロ君がライバル意識と親近感を合わせ持つようになるのも理解できます。(いや、太一だって客観的に見て十分すごいんですが。高校に入ってから本格的にかるたをして1年半でA級に昇格、2年でA級上位に食い込んでいますし。)

ヒョロ君の立ち位置、性格的に自尊心が強いのに、実力がない、才能がない、後輩にも追い抜かれる、いつまで経ってもA級になれない、というのはものすごく辛いことですし、もっと卑屈になったり心が折れてかるたをやめてもしまってもおかしくない状況です。しかし、ヒョロ君は自分にできる方法を見つけて、北央チームの大黒柱として成長しました。

「自分より強いやつしかお前はみてねえんだ」は、千早のあり方をヒョロ君目線(および太一目線もかな?)で見たとき、「おまえはずっと・・・強くて孤独なやつのそばにいてやろうとしてたんだもんな」は、千早目線で見たときなんですね。チームちはやふるになりたくてもなれなかった、でもずっと傍から見ていたという絶妙な距離感のヒョロ君だからこそ言えたセリフなのかなと思います。また、千早目線の言葉をかけてあげられるほどに、ヒョロ君は自身のチーム作りを通じて存在意義を確立し、辛い気持ちを昇華できるところにまでたどり着いたというところなのかもしれません。

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